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“therefore”の効果的な使い所

ネイティブに伝わる英語、伝わらない英語4


“therefore”は、「したがって」「そのために」と因果関係を伝える時に日本人が好んで使う接続副詞の一つですが、原因と結果が必然的に生じる場面で使います。そのため論理立てた内容の論文や契約書などでも使われることが多いです。

とても便利な“therefore”ですが、誤用も多く見られますので気を付けましょう!

次の例文の中で、“therefore”が適切に使用されていない英文が混ざっています。どれか分かりますか?

  • 1)We were unable to get funding and therefore had to suspend the project.
  • (私達は資金提供を受けることができなかったので、したがって、プロジェクトを中止しなければならなかった。)

  • 2)I visited the theme park near Los Angeles. Therefore, I have a cold.
  • (ロサンゼルス近くのテーマパークを訪れた。したがって、風邪をひいている。)

  • 3)This agreement is written in the Japanese language; therefore, it should be interpreted in accordance with the laws of Japan.
  • (この契約書は日本語で書かれているので、したがって、日本国法に準拠して翻訳されなければならない。)

  • 4)We missed the train. Therefore, we are going to hire a taxi.
  • (私達は電車を逃した。したがって、タクシーを頼むつもりだ。)


使い方が間違っているのは例文2)です。
また、文法上は間違いではないのですが、例文1)と4)の使い方もネイティブからするとあまり自然ではありません。

●ポイント●

まずは接続副詞の特徴について確認しておきましょう。

接続副詞とは、接続という名前が付いているものの、もとは副詞ですので節と節しか結合できません。(※節とは2語以上からなるS(主語)+V(動詞)が含まれるものを指します。)そのため以下のルールが適用されます。

[SV ~. 接続副詞, SV ….]

ピリオドで文を完了させてから、“Therefore,”で文を始めます。

  • Those people have their umbrellas up. Therefore, it must be raining.

[SV ~ 接続詞+接続副詞 SV ….]

文中に“therefore”を入れる場合は、接続詞“and”を一緒に入れます。

  • Those people have their umbrellas up and therefore it must be raining.

[SV ~; 接続副詞, SV ….]

文中に接続詞無しで“therefore”を入れる場合は、セミコロンを入れます。

  • Those people have their umbrellas up; therefore, it must be raining.

以下はいずれも“therefore”と同様にその前に述べたことの結果として、「そのために」、「したがって」という因果関係を表す接続副詞です。

  • thus
  • accordingly
  • consequently
  • in consequence
  • as a result
  • hence

では、例文2)の“therefore”がなぜ適切でないかを解説します。

冒頭でも述べた通り、“therefore”を使うためには必然的な因果関係が必要です。つまり「ある事が起これば必ずそうなる」という論理が成り立たなくてはなりません。

例文2)では「ロサンゼルス近くのテーマパークを訪れた。したがって、風邪をひいている。」とありますが、もちろん風邪をひく人もいればそうでない人もいて、テーマパークに行くことが必ずしも風邪を引く原因にはなりませんので”therefore”を使うことはできないのです。

例えば、

  • She has been to all the theme parks in the U.S. The ABC Land is a theme park in the U.S. Therefore, she has been to ABC Land at least once.
  • (彼女はアメリカのテーマパークを全て訪れた。ABC Landもアメリカにある。したがって、彼女はABC Landを一度は訪れたことがある。)

という文章であれば、彼女はアメリカのすべてのテーマパークを訪れたことがあるので、必然的にアメリカにあるABC Landも訪れたことがあるという論理が成り立ち、“therefore”を使うには適切な文章です。

使い所を間違えると堅くなりすぎる“therefore”

例文1)4)は文法上の間違いはありませんが、どちらもより自然な文に書き換えることができます。

  • 1)△ We were unable to get funding and therefore had to suspend the project.
  • →○ We were unable to get funding and had to suspend the project.

  • 4)△ We missed the train. Therefore, we are going to hire a taxi.
  • →○ We missed the train, so we are going to hire a taxi.

「~なので~だ」という因果関係を表す時に、ネイティブは“therefore”よりも“and”や“so”を口頭では用いることが多く、例文1)や4)の内容で“therefore”を用いると文が堅くなりすぎます。

“and”は「(ある条件下で)~すれば~になる」という条件に対する結果を伝えることができ、“so”も「したがって」の意味でよりカジュアルに文と文を接続することができます。

通常は“and”や“so”で十分間に合うのですが、もし例文1)が以下のような文であれば“therefore”を使ってもネイティブには違和感がありません。

  • 1)We’ve been struggling due to budget cuts and slow business for the last few months. Not to mention, the CEO isn’t supportive of our plans, and we’re under a lot of pressure to focus on other things. Therefore, we’ve decided to suspend the project.
  • (予算削減と不景気のあおりを受けて、わが社の経営がここ数カ月間苦しい状況にある。社長は言うまでも無く社員の計画に難色を示しているうえに、社員には他の業務にも取り組まなければならないという重圧がのしかかっている。したがって、プロジェクトを中止することに決定した。)

ちなみに誤った用法だとご紹介した例文2)も“therefore”を使うほどの必然性がないだけで、“and”や“so”を使うと原因と結果の関係を表すことができます。

  • 2)I visited the theme park near Los Angeles, so I have a cold.

このように「したがって」と言いたい場合むやみに“therefore”を使うのは不自然ですが、状況を説明する文章が長く続いている場合や、契約書や論文、何かの必然的な因果関係を説明する場合には効果的です。状況に応じて使いこなせるようになりましょう!

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